2010年9月19日日曜日

長月十九日

Kindleが届いた。
はえぇよ。

発送が9/17となっているので、2日後の到着と来るならば、国内のデポから届いたということになるのだろう。まぁ、ロジスティクスが強いのはAmazonの力の根源なのだが。
まだ保護シートが届いていないので、元からついているフィルムはそのままにして使うことにする。

早速起動してみる。
随所でいわれていることだが、E-Inkの力は偉大で、とても液晶画面に表示されているものとは思えない。確かにこれは凄いわ。
画面サイズについては、やはり随所でレビューされているとおり、新書サイズまでならストレスなく快適に読めるのだが、A5で小さく感じられ、A4になるとかなり読みづらいものとなる。B4になると読めたものじゃない。
まだ多くはチェックしていない──というか、こうも早いとは思わなかったので、データの大半を仕事場に措いてきてしまった──のだが、幾つかのファイルで試してみたところ、オーソドックスなA5サイズの論文なら、何とか読めそうである。それでも文字は小さい──おおむね7~8ポイントぐらいだろうか──ため、老眼の人には辛いはず。
一応横に倒した状態で表示させることも可能である。この場合、画面サイズがおおむね1.5倍になるわけだが、当然画面の上下は半分になるので、使い勝手は悪くなる。基本的には非常手段と考えるべきだろう。

ある程度覚悟してはいたが、全てのデータのデジタライズというのには、やはり無理がある。先達が述べているとおり、差し当たっては文庫・新書が中心となり、A5サイズまでが実用限界ということになるだろう。
これ以上のサイズの図書をデジタライズしたければ、DXかiPadを手に入れる必要がある。アレならひとまわり大きなサイズまで対応できる。
文庫やコミックを除けば、図書のほとんどはA5ぐらいで、文書類を含めるとしてもA4サイズまでがほとんどなので、やはり将来的にはそこまで至る必要があるかも知れない。

なお、一部のフォントが対応していないらしく、文字で表示されないものがある。日本語や中国語で若干そういう例があったのだが、具体的にどれがそうなのかは今のところ分からない。このあたりは今後のアップデートに期待しても良いだろう。

本来、Kindleは電子図書を読むことを前提としており、PDFはそもそも対象外だったことを考えると、僕の使い方の方がおかしいわけである。
が、日本の電子出版が近い将来に大きく前進するという見込みは、色々宣伝が為されてはいるのだが、僕としては悲観的である。少なくとも、紙の本と同程度の値段設定をしようと考えている間は、売れ行きが大きく伸びるとは思えない。英語版は1割引にしたことで大きく売上を伸ばしたのだが、日本でそれをやるには再販制の壁が立ちふさがる。この制度を撤廃しない限り、簡単にはいくまい。

その日が何時になるのか知らないが、それまでは自炊中心というのが、日本の潮流になるのではないだろうか。多分その間に中国や韓国の方が先に進みそうである。
良きにつけ悪しきにつけ、著作権に縛られることの少ない彼らの方が有利というのは、なかなか皮肉なものであるとは思う。

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