2011年1月22日土曜日

睦月廿二日

一応は関心があったので、ReaderやGalapagosの実物をチェックした。

感想は、「部分的には見るべきところがあるとはいうものの、全体的にはパッとしないKindleやiPadの焼き直し」というもの。

まずReaderから。
画面は文庫サイズ対応の5型と新書サイズ対応の6型のふたつがある。
これはこの手の電子書籍リーダー全般に言えることだが、ハードが揃っていても、ソフトがないとどうにもならない。
当然ながら、発売まもない現時点ではソフト、つまり本は揃っていない。
ゆえに、この方向からは何とも言えない。
ソフトとしては、電子書籍以外に自炊して制作された画像ファイルもある。僕のように、蔵書を整理して、という目的から入った人間にとっては、こちらの方がメインになる。
で、その観点からすると、読みやすく読めたら何でも構わないわけなので、問題は使い勝手の良さ如何ということになる。
評価すべきポイントは、画面サイズ・重量・インターフェイスのみっつである。
Kindleのように9インチサイズがある場合はさすがに別だが、5インチと6インチではさして変わらない。
新書が読めるなら文庫も読めるわけで、それを考えれば6インチサイズの方が良いように思える。正直、5型の存在する理由がよくわからない。それほど重量や手持ち感に違いがあるようにも思えないし。
一応スペックを書いておこう。

Reader(5型)
145.4mm×104.6mm×9.2mm
155g

Reader(6型)
169.6mm×119.1mm×10.3mm
215g

Kindle3
190mm×123mm×8.5mm
241g(Wi-Fi版), 247g(3G+Wi-Fi版)

KindleDX
264mm×183mm×9.7mm
536g

Kindleの方がやや大きくて重いが、これはキーボードや通信機能があるため。
この点については、そうした機能をすべて接続するPCに依存することで小型軽量化を果たしたReaderにも理があると思う。
問題は小型軽量化を果たしたが、値段はむしろ高めという点にあるのだろうが、Kindle3はもとより原価割れを覚悟してるのではなかろうかというような値段になっているので、そのあたりは措くことにする。ITmediaの記事によると、Kindle2の定価359ドルに対し、原価は185.49ドルだそうな。Kindle3については不明だが、それほど利益が出ていないことは想像に難くない。
また、インターフェイスについては、両サイドにページ送りボタンのついているKindleの方が明らかに使い勝手が良かった。片手で扱うとなると、ページ送りボタンが表面左寄りに配置されているReaderの場合、左手でしか不可能である。
あと、Readerはメタルフレームなのだが、これもKindleみたいに樹脂製にすれば同じ強度でもう少し軽くなったのではなかろうか。この辺りは素人なので何とも言えないが。

結論として、Kindleより先に出ていたのなら評価されるが、Kindleの後を追っている現状としては、特に評価すべき点を見いだせない、つまりKindleを持っている人間がわざわざ購入すべき品ではない、ということになる。
これが最初の機体となると話は別である。要するに、いまだAmazonが日本語版Kindleを発売していない現在であれば、これを買う人はそこそこ居るであろう。その意味では正しい時期に適当なスペックの商品であるといえる。去年の夏ごろにこれが出ていたら、僕もKindleではなくこちらを買っていた可能性が高い。

iPadとGalapagosについても、ほぼ同じ感想を持った。僕はiPadを持っていないので、詳しい評価はできないが、後を追うならもっと斬新な要素を持っていてもいいのじゃないかとは思った。
日本は新しい価値を創造するのが苦手とはよく言われてきたことだが、まさにそれを実感した感じ。たぶん、数年内に韓国か中国でもっと安い機体が出るんじゃないかなぁ。

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