2010年11月11日木曜日

霜月十一日

気になった記事二点。

カラー対応E-Inkを実戦投入するとの記事が出た。
おそらく、近いうちにKindleにも搭載されることになるだろう。
現行のKindle3では、基本的に白黒である。電圧によって白と黒のどちらかを表示するというE-Inkの原理からしてカラーは無理と思っていたのだが、色付きのフィルターを通すことでそれを可能にしたとのこと。
これにより、大きな変化がもたらされそうな気がする。
僕は基本的に文庫や新書などの文字情報を電子化するためにKindleを用いているのだが、コミックを読むにあたっても、これで実用的になる。4096色というから、まず問題なかろう。
また、古い本で黄変したページなんかも、これでいちいち調整する手間が省けるというものである。
まぁ、その分重くなりそうだが、プレゼンによると2割程度処理速度が上がっているそうだから、相殺されるのではなかろうか。
市場に投入され、レヴューが出るまでしばらくかかりそうだが、今から楽しみである。


例の衝突ビデオ流出事件について、毎日新聞論説副委員長の与良正男が尖閣ビデオが示すことというコラムを書いた。
内容はともかくとして、

職員が「ネットが最も手っ取り早く、効果的だ」と判断したのだけは間違いないはずだ。そして、これは内部告発の有効手段として今後、拡大していくだろう。それが今回のビデオ流出が示す、もう一つの側面だ。

という一節が目を引いた。
今回の騒動で、ごく初期のころからニコニコや2chなどで言われていたことは、新聞やテレビなど、従来型メディアではなく、ユーチューブという動画サイトが利用されたことである。つまり、従来型メディアでは取り上げられない可能性があるため、つべに上げたというわけである。
こうした世界は昔から反権力・反体制の傾向が強く、その延長上として従来型メディアも槍玉に挙げられることが多かったのだが、その是非はともかくとして、従来型メディアによる報道の中で、なぜ従来型メディアではなくてユーチューブだったのかということを取り上げたものは、これが初見である。大して熱心に記事をチェックしているわけでもないので、見落としているだけの可能性も高いが、まぁそれは措くとして。

今回のような政治的に大きな影響を及ぼす告発については、今後も同様の傾向が続くのではないかと思う。もう少しうまくやれば、足跡を残さずにやれると思う人間がいてもおかしくないし、ウィキリークスのような告発サイトを使う人間も出てくるだろう。
いずれにせよ、従来型メディアに対する不信感の表れと考えると、興味深いことである。

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