2011年4月9日土曜日

卯月九日 大連立の可否

さて、地震そのものへの対策はそろそろひと段落し、復興への道筋をつけるべき時がきた。
これにともない、政治休戦も終了し、イニシアティブ争いが始まっている。
民主・自民の双方とも、そしてその他の少数政党とも、復興そのものの必要性では一致しているわけだが、それをどのように、そして誰のイニシアティブにおいて実施するべきか。

民主というか、管内閣は、自民との大連立を行い、新設の震災対策などを自民の閣僚に任せ、内閣の大枠は変えないという方針を狙っているようである。
自民はそれを蹴った。連立するにせよ、管内閣のもとでは行えないと主張し、首相を自民党から出せと主張している。

もとより民主党よりは自民党の方がましだと考えている僕だが、それにしても管内閣の方針は虫がよすぎるように思う。
震災復興だけ丸投げされても、それをバックアップすべき財務・国交・経産などが民主の手元に残されたのでは、はしごを外されるリスクが高すぎる。というか、これまでにもろくに調整能力を果たせていない管首相に、そのあたりを期待できるわけがない。
というわけで、この提案が出た時、僕は民主(というか管直人)にやる気がないか、もしくは真性のお花畑状態になっているかのどちらかだと思った。彼については、前任者ほど知的能力に欠けているわけではなかろうと評価しているので、実態としてはこの間ぐらい、つまり「上手くいけばいいなぁ。行かなくても、それは提案を蹴った自民の責任だし」ぐらいじゃないかと思っている。
前にも書いたが、彼は悪い意味での現実主義者であり、明確な選択肢を設定し、どちらかを選択した上でそれを追求するという方針を決して持てない人間だと評価している。
よって、自分の側から思い切った譲歩を行い、大きな成果を上げるという政治的術策を実施するには向いていない人間であろうと考えている。

自民の側についてはどうだろう。首相をはじめとする重要閣僚をよこせとなると、相手に飲めるはずもないことは承知しているだろう。特に首相職を与えると、好きな時に内閣解散を行える。今総選挙を実施すれば、民主はひどいことになるだろう。
ゆえに、民主はそれを飲めない。その上で首相なり重要閣僚なりのポストを与えて自民を取り込むというような大技を企画し、実施できるだけの力量を持つ人物となると小沢一郎ぐらいのものだろうが、彼は党内の対立の余波で動ける状態にない。あるいは水面下で画策しているのかもしれないが。

結局のところ、統一選が終わって現時点の各党の支持率を確認したうえでないと、次の手は打ちづらいのだろう。民主と自民は大連立を組むか否か。大連立を組まれるとなると影響力をほとんど喪失する少数政党は、いかにしてそれに反対するか。
明日以降、それが加速するのではないかと思っている。

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