2010年8月18日水曜日

葉月十八日

我が職場は、お盆の時期には8日にわたってお休みとなる。
まぁ、本家がお寺ということもあり、かつては職員の少なからざる数が、坊主を本業としていたこともあったのだろう。ちなみに僕の上司も本業は住職なので尋ねてみたところ、実際盆暮れは忙しいらしい。
もっとも、今となっては職員の大半が俗人であり、どれほど意味があるのか怪しくなってきている。ついでに職員は8月には夏休みシフトというヤツを取っており、通常の半分程度しか出勤しなくて良いことになっている。もちろん給料は普通通り出る。

僕はといえば、労働時間にかかわらず有休なんてものはないので、休めば休んだだけ貧乏が悪化することになる。正直なところ、職員の職員による職員のための休暇なので……書いていて腹が立ってきたので、この話題はこのあたりで打ち切ることにする。


で、お盆はnoriの家で一日ボードゲームを楽しむという習慣があるのだが、今年もそういうことになったのだが、実の所、直前まで実施されるか怪しいところだった。
彼の本業はコンクリ検査技師なのだが、大阪のコンクリ業界がここ一ヶ月以上ストを続けており、スケジュールもクソもなくなったためである。
話を聞いてみると、ゼネコンに対して待遇改善を要求、それは当たり前なのだが、その要求を遡及適用せよとのことらしかった。

当たり前の話だが、契約が既に締結され、必要な予算も確定している仕事にあって、待遇改善の遡及適用、つまり人にかける予算を増やせと要求することは、プロジェクトそのものを破綻に追い込みかねない暴挙である。だいたい、半島人じゃあるまいし遡及適用(まぁ法ではないが、契約だって同じようなものだ)なんて、法や契約の大前提をぶち壊しにしかねない要求を行う方がおかしい。
noriも当初は交渉戦術だと思っていたらしいが、全然話し合いを行おうとしていないらしく、つまりは本気で要求しているらしい。なんでも中央から派遣された専従の人間が取り仕切っているらしい。
たしか、韓国の大邱だったかで起きた起亜自動車のストがそんな感じだったはずだ。工場の労働者の意見なんぞ無視して、無茶苦茶な要求を突きつけ、話をややこしくするだけしてから、ストが終わると去っていく。困るのは現場の労使のみ。沖縄なんかの反戦・反基地運動でも似たような話があるらしいので、要するにこの手の運動のお約束なのだろう。

noriの話によると、一番困っているのはストの参加者ではなく、その周辺の人間らしい。一応、スト参加者には組合から金が下りている。が、建設というのはコンクリ労働者だけで行うものではない。彼らのストにより現場は機能を停止し、他の労働者も日当をもらえなくなっているのだが、当然ながらコンクリの組合が彼らの面倒まで見ることはない。実際、そろそろそうした業者も破綻が始まっているそうな。

ちなみにnori本人はどうかというと、「大阪以外の現場を回っている」とのこと。そりゃまぁそうだろう。が、現場までの移動時間が大幅に増えたので、忙しくなったそうな。
ついでにお盆休みの直前になってから、一時的に組合もストを解除したため、ものすごい量の仕事が舞い込むことになり、お盆休みが消滅したのだそうな。
有休とかその手の休みをもらったことのない僕は知らなかったのだが、いわゆるお盆休みとは、まとめて有休を取っても「構わない」時期なのだそうな。
つまり、必要が有れば働かなければならない。この国の常識によると、有休とは何時取ってもいい休みではないためである。

まぁ、建設業界にはご苦労様ということで。高度経済成長とバブルの時代が終わり、建設業界は少しずつ縮小していく傾向にある。今回のスト問題は、その反発として起きたひとつの現れだろう。


で、何とか行われたボードゲームの日を除くと、僕は京都の自室に籠もりっぱなしで、ずっとゲームと史料の処理を進めていた。
外に出歩くこともないので、昼夜逆転なんてものではない。いや、綺麗に逆転してただけか。夜寝て昼起きるのも、昼寝て夜起きるのも、睡眠時間と活動時間の量が大きく変わるわけでもないのに、どうして昼夜逆転するのか、少し不思議ではある。

爛れきった生活を一週間送ったことにより、体調はあまり良くない。ダルイし。典型的なクーラー病である。
その甲斐あって、実録の史料整理はほぼ終わった。次に地方志や全集を当たることになるが、その前に実録の史料だけで、当座の分析を行うのも良いかもしれない。

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