2011年9月6日火曜日

長月九日 夏合宿

少し前のことになるが、日・月と古巣の大学の恒例となったゼミ合宿に行ってきた。
おりしも台風が直撃する感じだったのでどうなるかと思っていたが、ぎりぎり回避。それでも1日中雨だったが。

6人が発表したが、内容はいまふたつな感じだった。
1章2章と書いてくるのはいいのだが、すべて概説。どこかの研究書か論文の内容をそのまままとめてきたようなものであり、無論必要な作業ではあるが、これでは本論にならない。
西洋史の発表なのに、外国語文献がまったく登場しないのも大きく減点される。院生相手ではなしバリバリ使ってこいとまでは言わないが、一つ二つはほしいところである。
通常、先行研究の調査において日本語の研究内容を抑えてから外国語の文献に当たるものなので、言い方を変えると、ろくに日本語の研究すら抑え切れていないということである。
実際、参考文献として挙げられた論文数も、きわめて貧弱である。「このテーマでその数はないだろ」と言いたくなるのは、まぁ繰り返されてきた光景ではあるのだが。

後で先生と話していると、今年のメンツは、いわゆる「ゆとり世代」の絶頂期の産物らしく、どうにもならないらしい。
具体的には、向上心の類がまるでなく、先生が煽っても暖簾に腕押し状態になるそうである。例年だと、ひとりぐらいはそこそこ出来るのがいて、それをライバル視しながら進んでいくという展開になるし、また先生もそうなるように煽るわけだが、低いレヴェルで満足してしまうと、伸びないわけである。強く言っても、まるで堪えないときたものである。「ナンバーワンよりオンリーワン」なんて言っていたつけが、このモチベーションの低さにつながるわけである。
昨年に卒論を落とされて留年したのがいて、それが絶望的にひどいらしい。指導を聞かないどころか、Wikipediaまる写し(そのままコピペなので、語調から何からまるで統一がない)、参考文献は新書一冊というレジェンダリークラスのクズっぷりで、指導している先生が激怒しているそうな。まじめな人だからなぁ。
僕なら容赦なく落とすけど。学費はすでに4年分(今年を入れると5年分)もらっているので、退学されたところで痛くもないだろうし。まぁ、そのあたりは完全に他人事として考えられる僕と、指導する義務を負っている先生方との立場の違いだろう。

だいたい、ダメな世代の次はそこそこいける世代になるのが通例らしく、現在の3回生はまだしもマシらしい。こういう感想は、ほとんどの場合当を得ているものなんだけど、「ダメな世代」に繰りこまれる人間は、面白くないだろうなぁ。「団塊世代」とかのラベル貼りも同じだと思うけど、一定の事実を示しているだけに、「俺を一緒にするな」と思いたくなるものであろう。

まぁ、彼らの成果を聞くのは卒論提出の打ち上げの時になると思うが、先行研究の調査も不充分で、章建てすら出来ていない状態から、どの程度まで持ち直せるのか、聞いて……みたいようなみたくないような。

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