2012年1月28日土曜日

睦月廿八日 一段落

嵐のような二ヶ月が終わった。あと三日ほど残っているが。
月月火水木金金な生活は身体にも精神にも悪い。大した金にもならんというあたりが更にすばらしい。
働いた分だけ収入はあるが、2月3月は仕事が減るので、トータルしたらむしろマイナス。すばらしい。


それはそれとして、ようやく初校が戻ってきた。心が磨耗しているのでしばらく放っておいたが、さすがにそろそろ手を入れなければなるまい。まぁ、一週間あれば問題あるまい。

今回の論文は苦労ばかりして、なんか達成感のないものになった。
そりゃまぁ、広東について得られた知見を中国全土に広げて、蓋然性が得られるかという、つまりは追試なので、新しい知見が得られたわけではない。センスオブワンダーのない研究というのは、必要ではあるが心振るわない。
次の研究も同じようなことになるので、今から気分が重い。というか、作業を進めなければならないのだが、なかなか手につかない。忙しいという事情を差し引いても戦意が高まらないのが困りものだ。
逆に言えば、コツコツやれば、頭使わなくても完成するわけであり、こういう気分が盛り上がらない時だからこそ、回転数を上げなくてもできる作業を進めておくべきなのではあろう。


姪っ子に『大きな森の小さな家』で始まる「インガルス一家の物語」シリーズを買った……のは、夏の古本市の時のことである。さっさと渡せばいいものを、僕が読んでから渡すことにした。まぁ、正直まだ読むには早い──上の子が小学校3年なので、そろそろ行けるんじゃないかと思ったのだが、妹に「お前を基準にするな」的なことを言われた──わけだからして、多少遅くなっても問題はない。
このシリーズ、19世紀開拓時代のアメリカを描いたものなのだが、第1巻『大きな森の小さな家』と第5巻『農場の少年』は、僕がやはり小学生の頃に学校に据え付けられており、繰り返し読みふけったものである。
読んでいて色々と楽しいのだが、何より素晴らしいのは食事についての描写である。実に美味そうに描くのだ。小学生の僕も、小学生の姪っ子を持つようになった僕も、同じ感想を抱いているのだから本物であろう。
開拓地のことである。凝った食材など薬にしたいほどもない。登場人物たちにとって、普通に手に入る食材を使って料理をして、それを食べるだけのことだが、実に美味そうである。残念なことに21世紀の日本で再現しようとするとえらく高く付きそうなものも多いが。
2~4巻は初見になるが、やはり面白い。今読むと大人の目で見てのことになるのだが、子供の時に読んでおけば、また違った感想を抱いただろう。主人公ローラの母がインディアンを嫌がるシーンは、その代表的な部分だろう。わざわざ巻末に解説を入れてあった。無批判に子供が読めば、偏見をいだきかねないというところだろう。実際、小さな女の子であるローラにとって、恐ろしいと思わせるシーンも多いし。
第5巻の『農場の少年』は、主人公がローラから少年のアルマンゾに替わっている。彼は後にローラと結婚するらしいので、まぁおかしくはない。が、小学生の僕にとっては思い至らないことで、この二冊は全く関係のない本だとばかり思っていた。今になって読みなおしてみて、初めて同じ一つのシリーズに含まれることを知ったのだが、驚きはしても違和感は感じなかった。具体的には食べ物の描写の素晴らしさに、共通するものを感じていたためだ。

姪っ子には、秋の古本市で「ドリトル先生」シリーズを買ってやったのだが、まぁこれも読むのはもう少し先になるだろう。こちらは手元に置かずに、車でいく用事があったときにそのまま渡した。
あと僕が小学生の頃に読みふけったというと、アーサー・ランサムの「ツバメ号とアマゾン号」シリーズと、ウェルズの『神秘の島』あたりか。後者はちょっと女の子向けではない冒険物(ちょっと違うのだが)だし、前者を発見したら、買うのもいいだろう。もっとも妹からは、「男の子向けの本を持って来られても……」と言われている。確かに冒険シーンはそこそこあるのだが、基本少年少女のお話なので、素っ頓狂な事にはならない。女の子が読んでも面白い……のだろうか? 面白いと思うんだがなぁ。

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